緊張の正体は、優しい思い上がり。
ジュリア(仮名)は、もう何度もレッスンに来てくれているし、すごく一所懸命に学ぼうとしてくれているのに、どうも思ったように体の使い方がうまくならない。
どの生徒さんもそうだけど、安くはないレッスン料を払って来ているわけだから、ほんと、皆さん真剣なんですよね。私としてもなんとかその気持ちに応えてあげたい!と思ってしまう。
今日はそのジュリアが来る日。
どんなレッスンをしたら、彼女の役に立つかな。
英語で、どう表現したらいいのかな。
そんなことを思って準備していると、だんだん体が緊張してきてくるのがわかった。
オドロキ モモのキ サンショのキ。
だって、緊張する要素はひとつもないのに。
こういう時はnobinobiの術(アレクサンダーテクニック)で、自分を観察しなくちゃ。
心臓がバクバクと波うっていました。ひゃ〜落ち着け!
口の中もギュッとなっているし
骨盤もきゅっと。
あ〜、どこもかしこも、縮こまっている!
ライダウン Lie Down という、アレクサンダーテクニックで必ず学ぶ
自分の観察法と解放法で、
5分くらいワークしたところで平常心をやっと取り戻しました。
緊張する要素は、本当になかったのか。
・・・
いや、あった。
最初の方の文章を見てみて。
”私としてもなんとかその気持ちに応えてあげたい!”
という思考ですがな。それそれ。
名付けて「優しい思い上がり」。
思いやりじゃなくて、思い上がりです。
(自分に優しく”優しい”をつけました。)
だって、そんなこと無理なんだから。
自分がなんとかできるという思い上がり。
無理だと潜在意識は知っていて、抵抗して、体が緊張してしまったんだな。
なにを言っているかというと、ジュリアの気持ちに応えられるかどうかは、私の範疇じゃないってこと。だいたい、本当のジュリアの気持ちを知っているわけでもないし。
私がやることは、月並みですが、私のベストを尽くすだけ。
ベストを尽くして、ジュリアの気持ちに応えられなくても、
それは私の問題じゃなく、
まあ、そういうこともあるさ、ってこと。
アレクサンダーテクニックのレッスンは最初からきちっと決まったカリキュラムというのがあるわけじゃないんです。マニュアルもない。たとえば、検定のようなものがあって、なにかを覚えたら次のことが学べ、どんどんランクがあがっていく、、、というようなものじゃないんです。
生徒と会って、観察し、
目に見える動き、目に見えないけれど体の中で起こっている動きを見て、
その人が発している言葉を聞き、発していない言葉も聞き、
そして、今日の、今の、その人に必要なワークをする。
その人が受け入れられるだけの量と、言葉と、ハンズオンで。
自分という媒体を通して、伝えていく。
泣いても笑っても、なにが起こっても、
それが、私のベストワーク。
少なくとも、私がATI-LAという最高の学校で、3年間毎日びっしりと受けたトレーニングなのであった。ただ、それを淡々と行う。自分をのびのびさせて。
ってことだったよ〜。
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今日も読んでくれてありがとう!サンキュッ!
感謝です🙏