いい人と思われたい。
アレクサンダーテクニックのプライベートレッスンを東京でもしてまして。
10時の生徒さんから、約束に遅れそう、というメッセージ。
「慌てずに来てね」と返信すると
「慌てないのは難しいよ」と。
「それもこれから学ぶアレクサンダーテクニックなんだけどね。
慌てない。時間があるって自分に言ってあげて」と私。
「えーっ!でも、(時間は)ない!待たせてる」
「大丈夫。待ってる時間を楽しんでいるから」
「うへーーー」
という面白いやりとりをしながら、彼女は10分ほど遅れて到着。汗だくだく。まあ、転ばず、無事に来てくれてよかった。
その後、「”慌てなくていいよ”と言ったのに、どうしてそんなに急いだの?」と、よくよく突き詰めて聞いていくと(観察作業)、
慌てることが、遅刻している自分にとっての最善の方法だ、と思っていることがわかってきた。
慌てて来ても、多分5分と変わらない。もしかしたら2分くらいの差かもしれないと知っているのに、慌てて来る。それが彼女流の礼儀なのかも、という気づき。
汗だくで、息をきらして、がんばってきました!というのを見せたいのかも、という更なる気づき。
そう!
ここが大事。見せたいの。相手(この場合は私)に、がんばってきたよと見せることで誠意を示していることを表現したいのだ。なぜ?
そのもっと奥に、「いい人」願望があるからなんだ。そうすることが「正しい人」と刷り込まれている。いや、彼女だけじゃない。
「人に迷惑をかけてはいけません」
「人前でちゃんとしなさい」
「いい子でね」と私たちは小さい頃から何度も言われてきたはず。
でも「自分を大切にしなさい」と言われて育った人は案外少ないのではないのかな。
先日の東京ワークショップ『よりよい自分の使い方』の第一弾『ストレスに強い自分になる!』でも、多くの人が「いい人と思われたい」と思っていることがわかった。
参加者の皆さんに「どんな時にストレスを感じるか」ということを深く観察してもらったところ、トップ3のひとつがそれ。
「ちゃんとしていると思われたい」「人前でよく見えたい」「優しい人、気がきく人と思われたい」も同じ類かと。
しかしっ💥
「いい人と思われたい」
この呪縛が及ぼす自分の身体や神経への影響は侮れない。
「いい人に思われたい」一心で、無意識に身体を縮めたり、神経をすり減らしている。
実際、今日の生徒さんも、間に合わないどうしよう!と思った時のことを思い出しみると「肩があがり、呼吸が浅くなり、身体に力が入っていたと思う」とのことでした。
ストレスと思っているうちはまだいい方で、気付かないうちに、それが普通になり、多くの場合、病気を引き起こしてしまいます。
なぜなら、「いい人」は他人にとっての見え方であって、主体は自分じゃないからね。いくらがんばっても「いい人」に見える保証はどこにもない。
そんな当てにならないものに力を注ぐより、自分自身のあり方に力を注いだ方がずっと健康で幸せ。
じゃ、遅刻した場合はどうしたらいいかって?
まず、自分に聞いてみましょう。
「少しでも早く行ける方法はある?」
「焦ったら早く行ける?」
「がんばったら早く行ける?」
「それだけの価値はある?」
答えが見つかったら、身体を観察してみましょう。笑っちゃうくらい緊張していたら、それを笑い飛ばしてみましょう。そして、今の自分の状態を”最高”にチューニングする。
身体の状態(頭は背骨の上にポンッと乗っていて、身体はゆったりしているか)を整え、呼吸にも意識を持ち、「私には時間がある」と思いながら笑顔で歩きましょう。
待っていてくれた相手には、お詫びと感謝の言葉を(この時こそ)誠意を持って伝えればよし。それで壊れてしまうような関係ならば、いらない関係だということかもしれません。
こちらは↓↓↓↓↓↓東京ワークショップのお知らせです。ご興味のある方、ぜひご参加ください!*現在はキャンセル待ちになっていますが、ご連絡いただければ、次回のお知らせはいち早くお届けします。
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今日も読んでくれてありがとう!サンキュッ!
感謝です🙏