潜在意識に到達すると、どうなるか(1)
今日は、私のレッスンに来ている生徒、マイケル(仮名だよん)くん、50代、大学教授の話をしようかな。
アレクサンダーテクニックのことを知ったのは15年ほど前なんですって。その当時レッスンを受けたいと思ったけれど、先生が見つからず、独学してきたらしい。何冊もの本を読み、今でもポッドキャストなどを聞いて勉強しているという。(さすが大学の先生!)
本を読んだり、コンピュータの前にいることが長い彼は、時々背中や肩が痛くなるので、”今年こそ姿勢をよくしよう”ということを『一年の計』で決めたのだそうで、そして私のところに来ました。
長身で、俳優かと思うほどハンサム。ちょっとシルバーグレーが入った髪もなかなか素敵。
あ、そこは、関係なかった 😅テヘッ
ただ、話している様子をよく観察してみると、どうも落ち着きがない。よく言えば、陽気で、じっとしていられない小学生の男の子みたい。
そういうアンバランスなところに惚れちゃう人もいるんだろうな〜
あ、これもまったく関係ないね 😅😅😅
彼はアレクサンダーテクニックの歴史から、様々な効用まですごくよく知っているので、最初のレッスンで説明部分を省略してしまったほどだった。
私もどこかで”この人はよくわかっている”と油断していたのかな、どんどん新しいことをやってもらったりしていました。
でもね、1ヶ月ほどたって、ある日気がついた。
「こりゃ、ダメだ。彼はなにも学んでいないぞ。」
アレクサンダーテクニックは単なるHOW TOではないのです。
やり方がわかっていても、
思考が筋肉へどのように伝達していくか、
ということを
観察=observationし、
気づき=awareness
やめる= inhibition
という経験を通してでなければ体得できないものなの。
すみませんねー、難しくて。
何度も何度も何度も、座ったり立ったりというような単純な動作を繰り返しているのは、そういうわけなんですよ。
座り方、立ち方の練習をしているんじゃないの。
観察力を鍛え、気づきの回数を増やし、潜在意識にまで到達して初めて
スタート地点に立った!と言えます。
わしはなにをしとるんじゃ〜
という心の叫びが聞こえるようになる。
でも、早く結果が欲しい人は、そんなまどろっこしいことがやれないので、表面的なところをサ〜ッと通りすぎようとする傾向にあります。
頭のいい人ほど、プライドの高い人ほど、地位の高い人ほど、頭で考えようとして、何重ものバリアで封じ込まれている潜在意識の存在に到達できない傾向にあるような気がします。
手軽なコンビニ文化にどっぷり入ってしまっている人は、もう、私が書いている内容すらワケがわからないかもしれません。
マイケルくんもそんな一人だったんです。
「よい姿勢を手に入れたい」という目標にまっしぐらでした。考えて考えて考えて、手に入らない。
これを
エンド・ゲイニング=End Gainig
とアレクサンダーテクニックでは、言いまして。
ダメダメ、です。
目標まっしぐら、ダメなの?
ダメなんですよ。
よい姿勢を手に入れるためにすることは、よい姿勢を作ることではなく
もう何度もしつこく言っちゃうけど、
観察=observationし、
気づき=awareness
やめる= inhibition
という過程を踏まない限り、
血となり肉となりません。
形だけの姿勢を学んでも、あっという間に忘れて、
あっという間に
習慣の奴隷と化した元の姿勢に戻ります。
は〜、ちょっと休憩。
続きは明日ね。
読んでくれて、ありがとう!